
換気方式は、性能の数字だけでは選べません。これが最初の結論です。理由は、暮らし方とメンテナンスの手間が長く効いてくるからです。第一種は熱を逃しにくく、第三種は仕組みが簡単で費用を抑えやすい。どちらが優れているかではなく、どちらが自分たちの家と生活に合うか。ここを起点に考えると、比較の軸がはっきりします。まず見るべきは、名古屋の気候・間取り・掃除にかけられる手間の三つです。
住宅会社の資料に「第一種換気」「第三種換気」と並んでいて、正直どちらがいいのか分からず手が止まっていませんか。「電気代が高くなるのはどっち?」「フィルター掃除って大変じゃない?」「性能がいい方を選べば安心なのかな」。そんな迷いが頭の中でぐるぐるしていると思います。この記事では、住宅性能を比べている30代のご夫婦が、カタログの数字に振り回されず、自分たちの暮らしを基準に落ち着いて判断できるよう、考え方を順番に整理していきます。名古屋での相談で見えてきた具体例も交えてお話しします。
この記事のテーマを、家づくり全体の中で整理したい方へ
FURVAL(株式会社ファーバルデザイン)は建築士+宅地建物取引士の二つの視点で、土地・資金・建物・暮らしをワンストップでご相談いただけます。名古屋で家づくりを考え始めた方は、まず全体像の整理からお気軽にどうぞ。
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比べる前に知っておきたい3つの前提
- どちらも法律で必要な設備。24時間換気は義務であり、選ぶのは「方式」であって「つけるかどうか」ではない。
- 差が出るのは熱と手間。第一種は室温を保ちやすく、第三種は構造が単純で維持しやすい。
- 正解は家庭ごとに違う。断熱性能・間取り・掃除の習慣によって、快適に感じる方式は変わる。
この記事で確認していくこと
- 第一種と第三種は、そもそも何がどう違うのか
- 自分たちの家に合う方式を選ぶための判断材料
- 導入後に「思っていたのと違った」となりやすい落とし穴
先に要点をまとめます
- 換気方式は性能だけでなく、住み方とメンテナンス性も含めて選ぶことが大切
- 判断の起点は「断熱性能」「掃除の手間」「初期費用と光熱費のバランス」
- 数字の優劣より、日々の暮らしに無理なく馴染むかどうかを重視する
二つの方式は何がどう違うのか
給気と排気を「機械でやるか、自然に任せるか」
まず仕組みの違いから整理します。第一種換気は、外気を取り込む給気と、室内の空気を出す排気の両方を機械で行います。第三種換気は、排気だけを機械で行い、給気は壁につけた給気口から自然に取り込みます。この「給気を機械でやるかどうか」が、最大の分かれ道です。
第一種の強みは、給気の際に熱を回収できるタイプがあることです。冬に冷たい外気をそのまま入れず、室内の暖かさを利用してある程度温めてから取り込む。だから室温が安定しやすく、暖房の効きが落ちにくい。一方の第三種は、給気口から外気がそのまま入ってくるため、冬は給気口の近くがひんやりすることがあります。名古屋は真冬でも底冷えする日がある地域なので、この体感差は意外と無視できません。
実は、ここでよくある誤解があります。「第一種=高性能だから正解」という思い込みです。ただ、機械が増える分、初期費用は上がり、ダクトの掃除やフィルター交換といった手間も増えます。第三種はシンプルな分、費用と維持は軽い。どちらにも強みと弱みがある。優劣ではなく相性で見るのが、この比較の本質です。花粉や外の空気の汚れが気になる方には、給気側でフィルターを通せる第一種に安心感があります。一方で、機器の構成がシンプルなほど故障の心配が少なく気楽、と感じる方もいる。どちらを心地よいと感じるかは、性能表には載っていない、その人の感覚の部分でもあります。
費用と手間、どちらに重心を置くか
判断の軸になるのが、初期費用・光熱費・メンテナンスの三つのバランスです。第一種は設置費用が高めですが、熱を逃しにくいため冷暖房費を抑えられる可能性があります。第三種は設置費用が抑えやすい反面、冬の給気で室温が下がりやすく、暖房費に影響することもある。ケースによりますが、この差は住宅の断熱性能によって大きく変わります。
正直なところ、断熱がしっかりした家では、第一種の熱回収の恩恵がより活きてきます。逆に断熱が十分でない家に高性能な換気だけ入れても、効果は限定的です。だから換気方式は、単体で選ぶより「家全体の断熱・気密とセット」で考える必要があります。換気だけ先に決めても、家の性能と噛み合わなければ期待した快適さになりません。
もう一つ見落とされやすいのが、掃除の手間です。第一種はフィルターやダクトの管理が必要で、放置すると換気効率が落ちる。第三種は給気口や排気ファンの掃除が中心で、比較的シンプルです。よくあるのが、性能だけで第一種を選んだものの、忙しくてメンテナンスが続かず、結局効率が落ちてしまうケース。掃除にどれだけ手をかけられるか、という生活習慣も、立派な判断材料です。
比較のときに一度整理しておきたいのが、判断のチェック項目です。冬の寒さをどこまで抑えたいか。掃除やフィルター交換にどれくらい手をかけられるか。初期費用と、住み続ける間の光熱費のどちらを重く見るか。家族の中に、ほこりや空気の質に敏感な人がいるか。この四つを書き出してみると、自分たちがどちらに傾いているかが見えてきます。実は、換気方式で迷う多くの方は、性能表を眺めているうちに、自分たちの優先順位を見失っている。数字を比べる前に、暮らしの側の条件を先に決める。この順番だと、判断がずっと軽くなります。
もう一つ付け加えると、換気は「つけて終わり」の設備ではありません。何十年も動き続け、掃除を重ねながら使うものです。だから、カタログ上の性能がわずかに高いかどうかより、その方式を無理なく使い続けられるかどうかの方が、暮らしの満足には効いてきます。少し地味な視点ですが、長く住むほどこの差はじわじわ表れてきます。
名古屋の現場で聞いた選び方のリアル
「高性能を選んだのに寒い」と感じたご家庭
名古屋市で家を建てられた30代のご夫婦は、当初、迷わず第一種換気を希望されていました。「性能がいい方が間違いない」と思っていたそうです。ところが暮らしを詳しく伺うと、共働きで掃除にかけられる時間がほとんどない。フィルター管理が続くか不安がありました。「最初は高い方が安心だと思っていました」。結局、家の断熱性能をしっかり上げたうえで、維持のしやすさを優先する方向で一緒に検討し直しました。大切なのは、方式そのものより、その家で無理なく機能し続けるかどうかでした。
「シンプルで正解だった」というもう一つの声
もう一組、平屋を建てられたご家庭では、第三種換気を選ばれました。断熱と気密をしっかり確保したうえで、換気はできるだけシンプルに、という考え方です。「掃除がラクで、うちには合っていた」。冬の給気口の冷たさが心配でしたが、給気口の位置を生活の邪魔にならない場所に工夫することで、気になりにくくなりました。この事例で見えてきたのは、換気方式は建物の性能や間取りと一緒に設計してこそ、体感の満足度につながるということです。数字の優劣だけでは、この快適さは説明できません。
この二つの事例に共通するのは、換気方式を単体で比べていない、という点です。どちらのご家庭も、まず家の断熱・気密をどう固めるかを考え、その上で「その家に合う換気」を選んでいます。逆に言えば、換気方式だけを先に決めようとすると、判断の土台がぐらつく。第一種か第三種かで悩んでいる方の多くは、実は換気の問題ではなく、家全体の性能をどこまで求めるかを、まだ決めきれていないだけ、ということが少なくありません。
私たちは建築士と宅地建物取引士の二つの視点で、換気を設備単体ではなく、断熱・気密・間取り・将来のメンテナンスまで含めて考えます。換気方式は、土地の向きや窓の配置、家族の暮らし方とも関わってくる。今の快適さだけでなく、十年先も無理なく維持できるかまで見渡して決めると、後悔がぐっと減ります。
換気方式の比較でよくある疑問
Q1. 結局、第一種と第三種はどちらが良いのですか?
- 優劣ではなく相性です。断熱性能が高く手間をかけられる家庭は第一種、費用と維持を軽くしたい家庭は第三種が向きます。
Q2. 電気代が安いのはどちらですか?
- 運転自体の電気代は方式で大きく変わりません。ただ第一種は熱を逃しにくく、冷暖房費を抑えられる可能性があります。
Q3. メンテナンスが楽なのはどちらですか?
- 第三種の方が構造が単純で楽な傾向です。第一種はフィルターやダクトの管理が必要で、放置すると効率が落ちます。
Q4. 名古屋の気候ならどちらが向いていますか?
- 冬の底冷えが気になるなら、熱を回収できる第一種が有利な場面があります。断熱性能とセットで判断してください。
Q5. 第三種だと冬は寒くなりますか?
- 給気口の近くはひんやりすることがあります。給気口の位置や断熱を工夫すれば、体感はかなり和らげられます。
Q6. 初期費用の差はどのくらいですか?
- 一般に第一種の方が高くなる傾向です。ただ機種や家の規模で幅があるため、総額で比較するのが確実です。
Q7. 後から方式を変えることはできますか?
- 給気口やダクトの計画が関わるため、後からの変更は簡単ではありません。設計段階で決めておくのが理想です。
Q8. 換気方式だけ先に決めても大丈夫ですか?
- おすすめしません。断熱・気密・間取りと噛み合わないと効果が出にくいため、家全体の性能と一緒に考えてください。
この記事のまとめ
- 換気方式は性能の数字だけでなく、住み方とメンテナンス性も含めて選ぶ
- 判断の軸は「断熱性能」「掃除の手間」「初期費用と光熱費のバランス」
- 第一種は熱を保ちやすく手間が増える、第三種はシンプルで維持が軽い
- 換気は単体で決めず、断熱・気密・間取りとセットで設計する
換気方式は、正解を探すより「自分たちの家と暮らしに合うか」で考えると、迷いがほどけていきます。名古屋で土地・資金・建物・暮らしをまとめて相談したいときは、建築士と宅建士の二つの視点で家全体を整理するFURVALに声をかけてみてください。カタログの数字を比べる前に、まずどんな暮らしをしたいかを一緒に言葉にするところから始めましょう。
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