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川辺 勝也
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すべての出逢いは偶然ではなく必然 ー 私のキャリアを支えた「必然性」の哲学

すべての出逢いは偶然ではなく必然 ー 私のキャリアを支えた「必然性」の哲学

私の座右の銘は「すべての出逢いは偶然ではなく必然」です。

この言葉を口にするたび、多くの方は「運命論的な考え方ですね」と受け止められるかもしれません。確かに、表面的にはそう聞こえるでしょう。しかし、私にとってこの「必然性」の哲学は、単なる運命に従うという意味合いとは大きく異なります。

むしろ、自らが設定した明確なビジョンと、それを最短で達成するための強い意志を持つ者にとって、目の前で起こるすべての人間関係や環境の変化は、すべて必要なピースとして、適切なタイミングで現れる、という能動的な信念だと捉えています。

受け身で運命を待つのではなく、自分のビジョンに向かって能動的に行動することで、必要な出逢いを引き寄せる。これが私の考える「必然性」の本質です。

この必然性の哲学が、私の初期のキャリア形成から、現在の事業展開、そして私が今、還暦を前にして強く感じている未来への展望に、いかに深く結びついているのかを、ここでじっくりお話ししたいと思います。

第一章:人生の目標から逆算された「必然の出逢い」

13歳で芽生えた「名前を残したい」という想い

私のキャリアの軌跡は、この必然性の哲学に基づき、綿密に計画されていました。

13歳くらいの時、私は漠然とですが「この世の中に自分の名前が残せることをやりたい」という目標を抱きました。この気持ちは今でも変わっていません。どの仕事に就きたいかよりも、「どのようにしたら自分の軌跡を残せるか」が重要でした。

この大きな目標を実現するための「通過点」として、私は学生時代に「30歳で独立」という具体的な目標を思い描き、30歳までの計画を自分なりに立てました。

この目標設定が、私のキャリアにおけるすべての出逢いを「必然」に変えたのです。明確な目標がなければ、出逢いは単なる偶然に過ぎません。しかし、目標があれば、その出逢いがどのように自分の目標達成に貢献するのか、どのような経験を積むべきなのかが明確になります。

バブル期の就職 ー 最初の必然的なスタート

私が就職活動をしていたのはバブル時代でした。建築技術系の学生は就職に困らず、私自身も内定を得ましたが、当時の私は「会社の本質がわからず、どの会社がいいのかわからないまま」でした。それでも、まずはハウスメーカーに入社しました。

一見、流れに身を任せただけのようですが、私にとってこの入社は、独立という目標に向けた必然的なスタート地点でした。私はその環境を最大限に活用するため、「3年という期限で、習得できることはすべてものにしたい」と思い、どんどん積極的に動きました。

この会社での出逢い、上司との出逢い、同僚との出逢い、そして様々なプロジェクトとの出逢いは、すべて私が独立に向けて必要としていた経験とスキルを提供してくれる、必然的な機会だったのです。

1年での転職決断 ー 次なる必然への移行

そして、入社からわずか1年後、2年目になる前に新しい部署のチーフ的ポジションが与えられそうになったとき、私は大きな決断を下します。多くの人が安定を選ぶであろう状況で、私は「経験を重視し転職時期を早めた結果、1年で転職しました」。

なぜなら、私にとって重要なのは、特定の会社で地位を得ることではなく、独立に必要な「経験」と「スキル」を、「最短」で、かつ「多様に」習得することだったからです。

私は、自身の人生設計において、30歳、40歳、50歳の時に「進化できているか」が大事であり、その目標達成を「10年未満(最短)でできるために日々考えながら行動するようにしました」。

最初の会社での出逢いが、私に与えるべき経験を終えたと判断したからこそ、私は次の必然的な環境へと進むことを選びました。もしその場に留まっていれば、別の経験は得られたでしょう。しかし、それは私の目標達成に最も効率的な道ではなかった。だから、私は次の必然的な出逢いを求めて動いたのです。

転職先選びの透明性 ー ビジョンの共有が生む必然

次の転職先を選ぶ際も、偶然に頼ることはありませんでした。独立が「1つの通過点」である私は、転職活動の際も、自身の目標を隠さず伝えました。「30歳で独立したいのでいろいろと勉強したいということを伝え、理解していただける会社を選びました」。

これは非常に重要なポイントです。多くの人は、転職の際に自分の本当の目標を隠し、会社が求める人材像に合わせた志望動機を語ります。しかし、それでは本当に必要な出逢いは生まれません。

私は、仕事に就くための「理由はいらない」が、「ビジョンは必要」だと考えています。明確なビジョンを持ち、それを正直に伝えることで、そのビジョンを共有し、実現のために必要な経験を与えてくれる会社との出逢いが、必然的に実現したのです。

そして、仕事についてから、私は「どんどん身に着けていろいろなことも実践してきた」結果、「武器としては多く持てるようになりました」。この「武器」は、私が関わってきたすべての人、経験、そして環境との必然的な出逢いから得られた結晶です。

私自身、「可能性は無限大になるようにはしておきたかった」という思いが強かったため、必然的な出逢いを最大限に活かし、自らの成長へと繋げてきました。自分で枠を作らず、すべての出逢いを成長の機会として捉える。これが、必然性の哲学を実践する上での重要な姿勢です。

第二章:プロとしての「責任」と「感動」の必然的な創出

お客様との出逢いも必然である

この「出逢いの必然性」の哲学は、日々の仕事におけるプロフェッショナルとしての倫理観にも深く根ざしています。

お客様との出逢いが必然であるならば、その仕事を通じて、最高の価値を提供することはプロの責務です。偶然の出逢いではなく、必然の出逢いだからこそ、その出逢いに意味を持たせなければならない。そう考えています。

私は、仕事における評価軸として、「感謝されるのと金銭で評価されることが必須」であり、「どちらも欠けてはいけない」と考えています。金銭的評価はプロとしての責任の対価であり、感謝は、その出逢いと仕事が社会に提供した価値の証明です。

この二つの評価軸を満たすことができて初めて、その出逢いが真に必然的なものであったと言えるのではないでしょうか。

付加価値の提供 ー 必然を超える必然

しかし、この感謝を生み出すためには、単に依頼された通りに仕事をこなすだけでは足りません。なぜなら、「依頼者の要望通りは誰でもできる」からです。

私たちが目指すべきは、その一歩先、つまり「更に付加価値をつけて喜ばれること」です。お客様が予想していなかった視点や、潜在的なニーズを満たす解決策を提供することで、単なる満足ではなく、「感動」が生まれます。

この感動こそが、お客様との出逢いが偶然ではなく、互いの人生にとって必然的に必要なものであったことを証明してくれます。そして、この喜び、「それがあるから楽しみながらできる」のです。

お客様が期待していた以上のものを提供する。それによって生まれる感動。これは、ただ要望に応えるだけでは決して生まれません。お客様の言葉の奥にある本当のニーズを見抜き、予想を超える提案をする。この努力があって初めて、必然的な出逢いは真の価値を生むのです。

企業理念に込めた想い

感動を生むことの必然性は、私たちの企業理念にも深く反映されています。私たちの企業理念は「未来へ向かった軌跡に感動の道を提供します。」です。

お客様とのすべての出逢いを通じて、感動という必然的な成果を創出する。この強い意志が、日々の業務における私たちの指針となっています。

単に建物を建てるのではなく、そこに住む人々の人生に感動を提供する。ただサービスを提供するのではなく、お客様の未来に価値を創造する。これが、私たちが目指すプロフェッショナルの姿です。

第三章:自己との必然的な出逢い ー 健康という土台

熟成の人生と健康の必然性

人生の後半に差し掛かり、私は「年をとることは老いることではなく、熟成されていくことだと思うようになりました」。人生の最後までこの熟成を続けることが、私の目標です。

しかし、この熟成を実現するためには、自己との必然的な出逢いを大切にしなければなりません。ここで言う「自己との出逢い」とは、自分の心と体、そして健康に真摯に向き合うことです。

私は、「健康でないと熟成されない」と断言しています。

心身が健全でなければ、せっかくの経験や知恵を活かすことはできません。だからこそ、私は「健康、体形維持のためのライフスタイル」を趣味とし、常に「限界を設けませんが気持ちはパワーアップできるために、心と体のケアは必須です」と考えています。

この、自己という必然的な存在に対して責任を持ち、常に最善の状態を保つことこそが、他者との出逢いの必然性を最大限に引き出し、自己のビジョンを実現するための土台となるのです。

健康を維持することは、単なる自己管理ではありません。それは、これから訪れる必然的な出逢いに備え、その出逢いを最大限に活かすための準備なのです。体調が悪ければ、せっかくの出逢いも活かせません。だからこそ、健康は最優先事項なのです。

第四章:未来を創造する「多くの人との関わり」の必然性

意識の変化 ー より高いものから、より多くの人へ

現在、還暦を前にして、私の意識は明確に変化しました。

「より高いものを求めるより、より多くの人とのかかわりを求めたいということです」。

私がこの変化を感じたのは、自分の人生の目的が、自己の達成から、より大きな社会的な貢献へとシフトしたからです。そして、その貢献を実現するためには、より多くの人との必然的な連携が必要不可欠だと理解したからです。

若い頃は、自分一人の力で何かを成し遂げることに価値を見出していました。しかし、年齢を重ね、経験を積むことで、一人でできることには限界があることを理解しました。同時に、多くの人と協働することで、一人では決して実現できない大きな目標が達成できることも知りました。

協働の必然性 ー 一人ではできないことを実現する

私が掲げる企業理念や目標は、一企業単独では実現が難しい、非常に大きなものです。

私は「一人(一企業)ではできないと諦めていたことを実現しようと思っています」。これを実現するためには、必然的に多様な才能や資源との結集が必要です。

私は「自分で枠をつくらない」という信念を持っていますから、同業・異業種の企業や個人、そして自治体を含めて、協働していきたいと考えています。

一つ一つの新しい出逢いは、私のビジョン実現のために避けられない、戦略的な必然性を持つことになります。自分と異なる考えを持つ人との出逢いを尊重し、彼らの持つ力を結集することで、私たちは既存の枠を超えた「未来へ向かった軌跡」を創ることができるのです。

私が尊敬できる人として「自分と違う考えを持って先の目標に進まれている方」を挙げているのも、このような必然的な学びと連携の機会を求めているからです。同じ考えを持つ人とばかり付き合っていては、視野は広がりません。異なる視点を持つ人との出逢いこそが、自己の成長と、より大きな目標の達成に必然的に必要なのです。

人生の豊かさを求めて

私が今、多くの人との関わりを求めるのは、人生の豊かさを追求するためでもあります。

人生は楽しい、ということを「多くの方と関わることにより豊かに前向きになりたい」と思っています。人との必然的な出逢いは、予期せぬ刺激や新たな視点をもたらし、私の人生をさらに深みのある「熟成」へと導いてくれます。

私は、困難に直面しても「苦労を苦労と思えないくらい先の楽しみを描くようにしています」。この前向きな姿勢を維持し、さらに高めていくためには、他者との必然的な交流から生まれる喜びや感動が不可欠なのです。

孤独な成功よりも、多くの人と喜びを分かち合える人生の方が、はるかに豊かです。そして、その豊かさを実現するための出逢いは、すべて必然として訪れると信じています。

最終的なビジョン ー 幸せと健康のための空間創造

私の最終的な目標は、「多くの方に幸せで健康になるために場所、空間を作っていきたい」というビジョンにあります。

このビジョンは、私自身の健康哲学と、他者への貢献(感謝)を融合させた、必然的な帰結です。自分が健康の重要性を実感し、それを維持する努力を続けてきたからこそ、その価値を他者にも提供したいという思いが生まれました。

そして、この壮大な目標を達成するためには、まずその場所を作り上げ、「一人ではなく多くの方とかかわっていきたい」という行動が、必然的に求められているのです。

これは単なる理想ではなく、具体的な行動計画です。同業・異業種の企業や個人、自治体との協働を通じて、一人では不可能だった大きなビジョンを実現する。これが、私の今後の挑戦です。

結び:必然性を受け入れ、常に進化し続ける

私にとって「すべての出逢いは偶然ではなく必然」という座右の銘は、過去の成功を支え、未来の挑戦を促す強力なエンジンです。

それは、私自身のビジョンを明確にし、そのビジョンに共鳴し、実現に貢献してくれる人、経験、環境を、自ら引き寄せるための、能動的な哲学です。

受け身で待つのではなく、自分から動く。明確な目標を持ち、それを公言する。そして、目の前に現れる一つ一つの出逢いを、すべて必然として受け止め、最大限に活かす。この姿勢が、私のキャリアを支え、今も前に進む原動力となっています。

私はこれからも、「やめるのではなく、あらゆる可能性にチャレンジしたい」と思っています。そして、常に新しい出逢いを必然の機会として受け入れ、自己の熟成を続けながら、企業理念の実現に邁進していきます。

年齢を重ねることで、出逢いの質も変わってきました。若い頃は、自分の成長のための出逢いを求めていました。しかし今は、他者の幸福に貢献するための出逢い、共に大きな目標を実現するための出逢いを求めています。

この変化もまた、必然です。人生の各段階で必要な出逢いは異なります。そして、その時々に必要な出逢いは、必ず訪れます。それを信じて、前向きに行動し続けること。これが、私の「必然性」の哲学の核心です。

「すべての出逢いは偶然ではなく必然」。この言葉を胸に、私はこれからも挑戦を続けます。そして、一つ一つの出逢いを大切にし、その出逢いから最大の価値を引き出し、自己の成長と社会への貢献を両立させていきたいと思います。

人生100年時代と言われる現代において、この必然性の哲学は、より多くの方にとって有益なものになると信じています。明確なビジョンを持ち、能動的に行動することで、必要な出逢いは必ず訪れます。そして、その出逢いを活かすことができれば、人生はより豊かで、意味深いものになるはずです。

私の経験が、皆さんのキャリアや人生において、少しでも参考になれば幸いです。

 

 

●プロフィール
川辺 勝也(株式会社ファーバルデザイン 代表取締役)

「すべての出逢いは偶然ではなく必然」
──この言葉を人生の羅針盤とし、建築というフィールドを通じて“人と空間の幸福な関係”を追求し続ける建築哲学者。
滋賀県出身、1966年生まれ。


■ 哲学と軌跡

幼少期から「この世に自分の名を刻む生き方をしたい」と願い、学生時代には「30歳で独立」という明確なビジョンを掲げた。
その目標を最短で実現するために、人生を10年ごとに区切り、常に“時間を味方につける生き方”を貫く。

バブル期にハウスメーカーへ入社後、わずか1年で転職を決断。
それは迷いではなく、「独立」という通過点に向けて、必要な経験を貪欲に積み上げるための戦略的な選択だった。

「感謝されること」と「金銭で評価されること」──
川辺氏がプロフェッショナルとして掲げるこの二軸は、建築という仕事を“感動産業”へと昇華させる指針でもある。
依頼されたことをただこなすのではなく、“+αの付加価値”で心を動かすことこそが真の仕事の喜びであり、信念の源だ。


■ 現在の活動と人生観

還暦を目前にした今もなお、川辺氏は挑戦の歩みを止めない。
「年を重ねることは老いることではなく、熟成すること」
──この信条のもと、健康維持を人生の礎とし、心と体を磨く日々を過ごす。

休日は五感を刺激する旅を好み、自然や文化に触れながら「自分という器を磨く時間」を大切にしている。
こうした日常の積み重ねが、空間づくりにおける“感性の厚み”を育んでいる。


■ 未来への展望

個の成功から、共創の時代へ。
川辺氏の関心は「一人で成し遂げること」から、「仲間と共に未来を創ること」へとシフトしている。

企業理念である
「未来へ向かった軌跡に感動の道を提供します。」
──この言葉に込められた想いを体現すべく、同業・異業種・自治体と手を取り合い、“感動のあるまちづくり”に挑む。

最終的なビジョンは、「人々が幸せと健康を感じながら過ごせる空間を創造すること」
それは建築を超えた“ライフデザイン”の領域であり、川辺氏が人生をかけて描く軌跡の集大成である。

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